相手への慰謝料請求を依頼する際に必要な「証拠」と「情報」
目次
慰謝料請求を依頼する際に必要な情報や証拠は?
慰謝料を請求する事件でのご相談の際、「手持ちの情報や証拠のみで依頼は可能でしょうか。」とのご質問をいただくことがよくございます。
今回は、不倫等の慰謝料請求事件を実際にご依頼いただく際に必要な情報や証拠はどのようなものかにつき、簡単にご説明させていただきたいと思います。
大きく分けて3つの分野の情報が一定程度必要です
当サイトでは慰謝料請求をする側の交渉事件に関し受任可能か否かの判断は、以下の情報が一定程度あるかどうかにつき確認・検討させていただいております。
- 相手方の連絡先
- 不貞行為に関する証拠
- 相手方の支払い能力に関する情報
以下、個別にご説明させていただきます。
①相手方の連絡先
不倫慰謝料請求をする場合、まずは相手方への請求内容を具体的に記載した書面を相手方に対して確実に送る必要があります。
以前は相手方自宅宛の内容証明郵便での送付が一般的でしたが、最近ではメールなどの他の方法による通知も大分多くなっており、当サイトでも柔軟に対応させていただいております。
住所もメールアドレスも分からない場合は、相手方携帯電話宛に一度連絡の上、住所やメールアドレスを確認するなどの方法を採ることもあります。
そのため、ご依頼いただく場合は、相手方の住所、メールアドレス(できれば添付ファイルを受信できるアドレス)、携帯電話番号などの情報があるかにつき確認をさせていただいております。
なお、相手方の勤務先のみ判明しているケースもよくございますが、勤務先への連絡は相手方プライバシー権侵害などのリスクを伴うことになりますので、当サイトでは原則として行ってはおらず、他の代替手段を採用できないかにつき検討させていただいております。
②不貞行為に関する証拠
相手方が不貞行為(性交渉)の存在を争ってこないケースでは証拠自体なくても慰謝料を取得できることもあり得ますが、基本的には一定程度の証拠が必要とお考え下さい。
どのような証拠が必要かにつきましては、相手方の出方や何を立証する必要があるのか(不貞行為の存在自体、交際期間等)などにもよりますので一概には言えませんが、興信所の調査報告書、メールやLINEなどのやりとりなどの客観的な証拠のほか、ご自身の配偶者が自白した録音テープや誓約書などが証拠になることもあります。
また、ご自身の配偶者が今後協力するとの姿勢であれば、ご依頼時になくてもご依頼後に録音や書面などで証拠化することも可能です。
③相手方の支払い能力に関する情報
言うまでもなく慰謝料請求は相手方への金銭の支払請求になりますので、相手方の支払い能力に関する情報も事件を着手する上でとても重要な情報になります。
極論にはなりますが、勝訴判決を得たとしても相手方に差し押さえるべき財産などがない場合には判決通りの支払いを受けることができず、判決が正に絵に描いた餅となってしまいます。
相手方の支払い能力は、相手方の極めて個人的な情報にはなるため、収集することはなかなか難しいかとは思いますが、勤務先や職種、およその年収、年齢、家族構成、自宅(持家か賃貸か)、普段の生活レベル、などの情報から一定程度の支払い能力があるかにつき確認、検討させていただいております。
ご不明な場合にはご相談下さい
以上のご説明はいずれも原則的な内容となりますので、必ずしも全て必要というものでもなく、依頼後の調査(弁護士会照会や職務上請求など)によって補うことが可能な場合もあります。
今回のコラムを参考にしていただきつつ、実際に請求できるかご不明な場合には、法律相談を一度受けていただき、請求の可否自体につきご質問いただけましたら検討させていただきます。